失敗ができないプレッシャーがある中で
慎重さ、先回りして考える力が身についている
品質保証統括部
2019年入社※記事内容および社員所属情報は取材当時のものです。

入社を決めた理由は?

学部では酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタの特性調査、大学院では有機・無機ペロブスカイト太陽電池の材料を作る際の条件が、素子の特性に与える影響について研究を行いました。こうした経験を活かせるように、就職活動では半導体業界を目指して志望先を探していたところ、長年培われてきた技術力を持ったシステムLSI事業会社であるソシオネクストの存在を知りました。その後1dayインターンシップでのエンジニアの方々のお話が興味深かったことや、大学院の恩師からの勧めもあって志望しました。

現在の業務内容は?

品質保証統括部の拠点のひとつである、かながわサイエンスパーク(KSP)内の研究施設が職場です。私の担当は半導体デバイスの故障解析で、実装工程や市場で生じた不具合の原因を明らかにするために、不具合品を引き取って故障箇所の特定や故障のメカニズムを推定し、製造工程のフィードバックを通して、歩留まり改善や再発防止の改善活動を行っています。
比較的古いデバイスの担当から始まり、今では業務に慣れてきたこともあり、先端的なデバイスも担当できるようになりました。はんだ付けや研磨といった職人技に加えて、さまざまな解析装置を使いこなす必要があり、半導体について実感をもって学ぶことができています。不具合の原因を特定するためのアプローチはひとつではなく、状況に合わせた解析手法を選び、問題を切り分けていく必要がありますが、そうしたプロセスを経て不具合の原因を特定できたときにはやりがいを感じます。

社会人になって一番変わったことは?

慎重さや、先回りして考える力が身についていると感じます。ほとんどの不具合品は一品しか引き取ることができませんから、万が一解析に失敗してしまうと原因を明らかにすることができません。業務で求められる技術の正確さや判断力は学生時代とは比べものになりませんし、失敗ができないプレッシャーがある反面、それこそが故障解析という業務の醍醐味でもあると感じます。故障解析を進める中で想定と異なる事態に直面することも多々あるものの、その都度どうするべきかを考え、工夫を凝らしています。

OJTの感想は?

2年間のOJTを通して教えていただいたさまざまなことが、仕事の進め方の基礎になっています。故障解析は検査や解析方法も多様で幅広い知識が必要なため、わからない単語や内容が出てくる度に先輩や上司、ほかの部署の詳しい方に聞くことで知識を補っています。
一方で、はんだ付けや研磨の微妙な力加減といった手技的なことは実際に体で覚えるしかなく、時間を見つけては自主的に練習して、自分なりのやり方やコツを掴むことができました。単にわからないことを教えてもらうだけではなく、自分で考えて工夫する力を伸ばしてもらえる環境は力になっていますが、後輩に教える機会も増えた今、そういったノウハウや感覚的な部分を教える難しさにも改めて気付かされています。

今後の目標は?

今後もさまざまな経験を積むことで、故障解析を一人でこなせるようになりたいと思っています。また、長い目で見たときには、半導体の製造技術や素子構造の進化に遅れを取らず、先端技術を使った製品についても自ら解析手法を提案できるような、高度な知識を持ったエンジニアになりたいです。

ある一日のスケジュール[フレックス勤務]

08:00 出社し、メールのチェック
09:00 はんだ付けや装置の立ち上げなど解析の下準備を行う
10:00 解析作業に取組む。電気特性の調査、外観検査、X線/超音波などを使ったパッケージ内部の調査など解析作業に取組む
12:00 昼食
13:00 午前中の解析作業を継続。薬品を用いてパッケージを開封し、チップ配線の電子顕微鏡観察など
16:00 1日の作業の進捗結果をまとめる
17:00 使用した器具や装置の片付け
18:00 帰宅