サステナビリティの考え方
持続可能で豊かな社会の実現に貢献していきますソシオネクストグループは、「Together with our global partners, we bring innovation to everyone everywhere.」 というミッションのもと、サステナビリティへの取り組みを重要な経営課題と位置付け、新しいサービス・製品の差別化のために独自の先端SoCを開発するお客様のパートナーとして、また、進化する半導体のエコシステムにおいてファウンドリ・OSAT*1をはじめ、IP*2・EDAツール*3・ソフトウェアに至るまで最新の技術を提供するサプライヤーのパートナーとして、お客様、さらにはその先にいる世界中の人々に新しい価値を提供し、豊かな社会の実現に貢献していきたいと考えています。
地球温暖化や気候変動などの環境問題および人権尊重や多様性などの社会的問題へのグローバルな関心の高まりを受け、企業を取り巻く環境は大きく変化しています。当社グループは、世界全体のさまざまな課題が引き起こすリスクを正しく認識し、それらの課題を解決するための対策に取り組んでいきます。
また、活動にあたっては、お客様、パートナー、社員、地域社会、株主など、当社を取り巻くさまざまなステークホルダーとの対話や協働を通じて、課題の理解に努めるとともに、信頼関係を構築し、持続可能な社会の実現を目指していきます。
*2:IPとは、Intellectual Propertyの略語であり、半導体を構成するための部分的な機能単位でまとめられている回路情報です。外部から購入する調達IPと自社で開発を行う自社IPとに分けられます。
*3:EDAとは、Electronic Design Automationの略語であり、半導体の設計作業を自動化して行うソフトウェアやツールです。
サステナビリティ情報開示の考え方
サステナビリティ情報の開示においては、TCFD*1提言やISSB*2サステナビリティ開示基準(IFRS*3S1/S2)、およびSSBJ*4サステナビリティ開示基準に則り、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標の4つの観点に沿って行う方針です。
サステナビリティ活動への取り組み
当社グループでは、優先的に取り組むマテリアリティを特定し、サステナビリティ活動を推進しています。マテリアリティのなかでも、特に環境・気候変動への取り組みとして、2024年4月より再生可能エネルギーの導入を開始するなど、当社グループのGHG(Greenhouse Gas:温室効果ガス)排出量の削減を進めるとともに、当社グループが提供する低消費電力/省スペースな先端SoCにより、お客様のもとでのGHG排出量の低減に貢献することで、脱炭素社会の実現を目指しています。
また、人的資本に関しては、人権、ダイバーシティ、安全衛生/健康推進に関する諸制度の充実、エンジニア人材育成に関する教育プログラムの策定などにより、当社グループの人的資本の最大化に向けた活動を進めています。
当社グループは、半導体エコシステムのパートナーと協働して、サプライチェーン全体でマテリアリティへの取り組みの実効性を高め、社会的課題の解決と事業のさらなる成長を通じて、持続可能な社会の実現を目指してまいります。当社グループは、グローバル企業としての社会的責任を全うし、すべてのステークホルダーから信頼と共感を得られる存在であり続けたいと考えています。当社グループの最先端SoC技術で新しい価値を世界中に提供し、今後も中長期的な企業価値の向上を追求していきます。
ガバナンス
当社グループは、サステナビリティ活動を推進し、中長期的な課題を経営レベルで継続的に議論していくため、ESG推進室を設置し、社内関連部門と連携した推進体制を構築しています。この推進体制を活動の基盤として経営委員会の実行指示のもと活動を推進しています。取締役会は、重要なサステナビリティ課題への取り組み方針/実行計画の審議・承認や、進捗確認などの監督を行っています。
●取締役会
サステナビリティ活動に関する決定機関として、方針・戦略・各種施策などを審議・承認します。また、半期ごとに各種施策の進捗を監督し、必要に応じて是正などの指示を行います。
●経営委員会
取締役会での審議に先立ち、サステナビリティに関する方針・戦略・各種施策などの計画案を策定します。また、各種施策に対する執行責任を持ち、取締役会での承認のもと、実行部門への指示を行い、施策などを推進します。施策の推進にあたり、ESG推進室は、経営委員会の実行指示のもと、方針・戦略・各種施策などの計画案の策定および計画実行のサポート、施策の実行状況について取りまとめ、経営委員会への報告を行います。
リスク管理
当社グループは、さまざまな経営リスク、事業リスクの抑制・低減に向けて半期ごとに全社リスクマネジメントを実施しています。このフレームワークの中で、気候変動・人的資本・多様性といったサステナビリティに関するリスクについても重要リスクと認識し、リスクアセスメントの実施、対策立案/実行、進捗/効果確認を定期的に実施しています。
ISO認証取得
当社は以下のISO認証を取得しています。
●ISO9001 [品質マネジメントシステム]
ISO9001は品質マネジメントシステムに関する国際規格です。
私たちはお客様の多彩なQCD(品質・コスト・納期)に応じた品質の作り込みを実現します。また、ファブレス企業として企画・設計段階での管理を徹底し、製造する製品の特⻑・機能・品質に合わせて、国内外の最適なパートナー(生産委託先)を選択します。さらに、グローバル市場で培ってきた⾼品質かつ信頼性の⾼い技術を⽣かし、パートナー(生産委託先)との強い連携により、スピーディーで最適な品質を実現します。
●ISO14001 [環境マネジメントシステム]
ISO14001は、企業が環境への負荷を継続的に改善していくことを⽬的に定められた環境マネジメントシステム(EMS)の国際規格です。
私たちは先進の技術によって環境性能に優れたSoCおよびそれを核とするソリューションビジネス/サービスの設計、開発および販売を通じて、お客様とともに豊かな地球環境の保護に貢献します。
●ISO/IEC27001 [情報セキュリティ] (⼀部事業部⾨での取得)
ISO/IEC 27001は、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格です。
情報の機密性・完全性・可⽤性の3つをバランスよくマネジメントし、情報を有効活⽤するための組織の枠組みを⽰しています。私たちは、当該規格の認証を取得し、セキュリティの確保・向上に努めるとともに、これらのリスクに対する合理的な是正措置を講じます。
●ISO26262[機能安全](⼀部事業部⾨での取得)
ISO26262は自動車業界で高度化が進む電気/電子機器に対する機能安全に関する国際規格です。
認証取得により、当社の車載SoCの開発プロセスがISO26262で最高の安全基準であるASIL-Dまでの対応を満たすことができ、自動運転などで要求される高い安全要求に対してデバイスレベルからの対応が可能となります。
外部イニシアチブへの参画
●国連グローバル・コンパクト
当社グループは、2025年4月15日、国際連合が提唱する国連グローバル・コンパクト(United Nations Global Compact:UNGC)に署名しました。UNGCは、国連と民間(企業/団体)が手を結び、健全なグローバル社会を築くための世界最大のサステナビリティイニシアチブです。各企業/団体が責任ある創造的なリーダーシップを発揮することによって、社会の良き一員として行動し、持続可能な成長を実現するための世界的な枠組みです。当社グループは、組織のトップ自らのコミットメントのもと、4分野(人権/労働/環境/腐敗防止)からなる10原則に基づき、持続可能な社会の実現に向けて努力していきます。
外部評価機関への対応
当社グループは、サステナビリティに関するリスク管理の一環として、S&P Global CSA、MSCI、EcoVadis、日経サステナビリティなどの外部評価に積極的に対応しています。サステナビリティへの取り組みを客観的に評価いただくことで、当社グループの強み/弱みを正しく認識し、改善に向けた指標として活用しています。これらの活動が、投資家をはじめとするステークホルダーとの信頼関係構築、企業価値向上につながると考えています。
サステナビリティ活動に対する社外からの評価
当社グループは、2022年10月の東京証券取引所プライム市場への上場後、経営と一体化したサステナビリティ活動を積極的に進めています。今年度は、CDP(Carbon Disclosure Project)において、初めての審査でBランクを獲得しました。また、日本経済新聞社主催の「第6回日経SDGs経営調査」の総合ランキングにおいて3つ星に認定され、同じく「脱炭素経営ランキング GX500」において、上位500企業として選出されました。
直近では、2025年度の「SOMPOサステナビリティ・インデックス」、並びに年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)などのサステナブル投資ファンドが採用する「FTSE Blossom Japan Index」および「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」の構成銘柄に選定されています。これらの評価結果をもとに、サステナビリティ活動のさらなる進展を図っています。
●ESG投資指数「FTSE Blossom Japan Index」と「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」の構成銘柄に選定
当社グループは、ESG(環境、社会、ガバナンス)投資の代表的な指数として、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)などのサステナブル投資ファンドが採用する「FTSE Blossom Japan Index」および「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」の構成銘柄に初めて選定されました。
FTSE Blossom Japan Indexについて
FTSE Blossom Japan Indexはグローバルインデックスプロバイダーであるロンドン証券取引所グループ傘下のFTSE Russellが日本企業に特化して作成し、ESG(環境、社会、ガバナンス)について優れた対応を行っている企業のパフォーマンスを測定するために設計されたものです。FTSE Russellの評価はコーポレートガバナンス、健康と安全性、腐敗防止、気候変動といった分野について行われており、FTSE Blossom Japan Indexの構成銘柄である企業は、環境、社会、ガバナンスに関する様々な基準を満たしています。
FTSE Blossom Japan Sector Relative Indexについて
FTSE Russellが提供するESG(環境、社会、ガバナンス)評価に基づく日本企業に特化した株式インデックスです。各業種内で相対的にESG対応に優れた企業を選定し、セクター・ニュートラルな設計により業種偏重を抑えています。
●2025年度「SOMPOサステナビリティ・インデックス」構成銘柄に選定
当社グループは、SOMPOリスクマネジメント株式会社が設定する、2025年度「SOMPOサステナビリティ・インデックス」の構成銘柄に選定されました。「SOMPOサステナビリティ・インデックス」は、SOMPOリスクマネジメント株式会社が実施する「環境経営調査」と「ESG経営調査」によるESG評価をもとに、ESGの取り組みに優れた約300銘柄から構成され、同社の「サステナブル運用*」のインデックスとして年金基金などの複数の機関投資家に採用されています。
●「S&P Global CSA 2024」で半導体セクター上位11%のスコアを獲得
ESG投資分野の世界的な調査/評価会社である米国のS&P Global社では、世界の企業を対象に、経済/環境/社会の3つの側面に関する評価(CSA:Corporate Sustainability Assessment)を実施し、サステナビリティに優れた企業を毎年選定しています。当社グループは、CSAスコア53点を獲得しました。これは、半導体セクターにおいて上位11%の評価となっています。評価対象分野のなかでも、特に「製品品質」、「サプライチェーンマネジメント」および「人的資本の最大化」への対応が評価されました。
●CDP2024「気候変動」および「水セキュリティ」の2分野で「B」評価を獲得
CDP(Carbon Disclosure Project)は、世界唯一の独立した環境情報開示システムを運営する非営利団体です。世界の主要企業から気候変動などの環境関連情報を収集/分析し、その結果を9段階(A、A-、B、B-、C、C-、D、D-、F)で評価しています。CDPのデータベースは環境情報開示のグローバルスタンダードとされており、CDPを通じた情報開示を求める機関投資家が年々増加しています。
CDP2024では、全世界で24,800社以上が回答し評価されています。今回が初めての回答となる当社グループは「気候変動」および「水セキュリティ」の分野で「B」評価を獲得しました。これは、最高評価から3番目に位置する評価となります。
●日本経済新聞社「第6回日経SDGs経営調査」で3つ星に認定
日本経済新聞社主催「第6回日経SDGs経営調査」の総合ランキングにおいて3つ星に認定されました。「日経SDGs経営調査」は国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」への企業の取り組みを格付け評価するもので、「SDGs戦略・経済価値」「社会価値」「環境価値」「ガバナンス」の4つの分野における総合得点で評価されます。
当社グループは、評価対象分野のなかでも、特に「ガバナンス方針・実効性」および「株主対応・株式保有」への対応が評価されました。
●日本経済新聞社「2024年度脱炭素経営ランキング GX500」に選出
日本経済新聞社主催「脱炭素経営ランキング GX500」において、上位500企業として選出されました。「脱炭素経営ランキング GX500」は、企業の脱炭素の取り組みを総合的に評価し、GX(グリーントランスフォーメーション)時代の優力企業500社を選出してランク付けするものです。本調査では、アンケートに回答した国内上場企業など887社を対象に「情報開示」「排出量の管理や削減実績」「省エネや再エネ活用」「温暖化ガス削減の具体策」「削減の目標設定」の5分野における総合得点でランキングと格付け評価が行われます。
当社グループは、評価対象分野のなかでも、特に「情報開示」への対応が評価されました。
●日本経済新聞社「第8回日経スマートワーク経営調査」で3つ星に認定
日本経済新聞社主催「第8回日経スマートワーク経営調査」の総合ランキングにおいて3つ星に認定されました。本調査は人材を最大限に活用するとともに、人材投資を加速させることで新たなイノベーションを生み出し、生産性を向上し、企業価値を最大化させることを目指す先進企業を選定するもので、全国の上場企業と有力非上場企業を対象とし、人材活用、人材投資、テクノロジー活用の3要素によって星5段階で評価されます。当社グループは、評価対象分野のなかでも、特に「人材戦略とKPI」「多様で柔軟な働き方」への対応が評価されました。
環境に関するステークホルダーとの対話
当社グループは、ステークホルダーとの対話を通じて、環境問題への取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に貢献したいと考えています。気候変動対応などの環境問題に関して、株主、投資家、パートナーなど、様々なステークホルダーと積極的に対話し、環境負荷の低減や環境保全活動を推進しています。
この一環として、2024年度より、株主・投資家とのサステナビリティミーティングを実施するとともに、製造委託先を中心とするパートナーに対して、気候変動対応に関する目標設定/進捗状況についてヒアリングを開始するなど、ステークホルダーと連携した取り組みを進めています。
マルチステークホルダー方針
ソシオネクストは、「Together with our global partners, we bring innovation to everyone everywhere.」をミッションに掲げ、SoC パートナーとして、お客様、取引先、従業員、地域社会、株主をはじめとする当社を取り巻く多様なステークホルダーと信頼関係を構築し、新しい価値の提供に努め、マルチステークホルダーとの適切な協働に取り組んでいます。