ソシオネクストグループは、グローバル社会の構成員として、あらゆるステークホルダー(お客様、お取引先様、社員、地域社会の皆様など)との関わりの中で、互いを尊重し、多様な個性、考え方、価値観を認め合うことのできる企業風土の醸成と人材育成に努めることで、企業としての社会的責任を果たし、持続可能な豊かな社会づくりに貢献してまいります。
人権に関する基本的な考え方
ソシオネクストグループでは、グループの理念である「CSR基本方針」において、「人権の尊重」および「社員の労働環境整備」を重要な責務として掲げています。
「人権の尊重」 |
私たちは⼀⼈ひとりの人権を尊重し、差別などの人権侵害行為を許しません。 |
|---|---|
「社員の労働環境整備」 |
私たちは社員の幸せを目指し、個性を尊重し、公平な処遇を実現するとともに、健康で働きやすい環境をつくります。 |
当社グループは、事業活動に関わるすべてのステークホルダー(お客様、パートナー、社員、地域社会の皆様など)の人権を尊重し、性別、年齢、国籍、人種、民族、思想、宗教、社会的身分、雇用形態、婚姻状況、妊娠状況、門地、性的指向や性自認、身体的特徴、疾病、障がいなどによる差別的取扱いや人権侵害を行いません。
当社グループやサプライチェーンで働く人々に対しては、⼀⼈ひとりの人権を尊重していきます。ハラスメント(パワーハラスメント/セクシャルハラスメントなど)を排除し、健康で安心して働くことができる職場環境を提供するとともに、最低賃金や労働時間の法規制を遵守し、強制労働や、児童労働、人身売買を行いません。また、結社の自由と団体交渉権、プライバシーの権利を保護します。
●社員の差別的取り扱いの禁⽌
当社グループは、社員や採用候補者に対し、国籍、信条、性別または社会的身分などを理由として、差別的取り扱いをしないよう徹底しており、内部規定においても差別的取り扱いを禁止する旨を厳格に定めています。規定に違反した場合は、就業規則における懲戒の対象としています。
●人権相談窓口の設置
社内に児童労働や強制労働などの人権侵害や差別的取り扱い、セクシャルハラスメントやパワーハラスメントなどの各種ハラスメントに関する人権相談窓口を設置し、社員からの相談などを受け付けています。本相談窓口は、総務人事部門の責任者および担当者によって運営されています。相談があった場合、相談者本人の意向も踏まえつつ、事実確認を行い、救済・是正のほか、再発防止の取り組みを行っています。
なお、当窓口への相談に際しては、個人が特定されず、相談や調査に協力したことを理由として、いかなる不利益な取り扱いも受けることのないよう対応しています。
また、社内窓口(リスク・コンプライアンス委員会事務局/常勤監査等委員)および社外窓口(TMI総合法律事務所)から構成される内部通報制度においても、人権侵害などの通報を受け付けることで、侵害行為の未然防止、早期発見、是正に取り組んでいます。
[人権相談対応フロー]
●職場におけるハラスメントの防止/撲滅に向けた取り組み(人権教育)
当社は、人権に対する社員の意識と理解向上を目的に、人権に関する教育に取り組んでいます。
新入社員を中心に集合形式の人権教育を実施
全社員に対してeラーニングによる人権教育(ハラスメント防止、LGBTQ+への理解を含む)を実施(受講率100%)
●児童労働/強制労働の防止/撲滅に向けた取り組み
当社グループは、社員採用時に年齢確認を義務付けており、児童労働に抵触する恐れのある採用を禁止しています。また、強制労働にあたるいかなる行為も容認しません。これらの方針については、当社グループのCSR基本方針で定めており、社員への遵守徹底を周知しています。なお、ソシオネクストCSR調達ガイドラインに基づき、当社のパートナーに対しても児童労働/強制労働の禁止に関する遵守要請を実施しています。
●外部の利害関係者の人権
すべての新規パートナーおよび既存のパートナーに対し、毎年人権に関するデュー・デリジェンスを実施しています。本デュー・デリジェンスは当社グループの定めるCSR基本方針およびCSR調達ガイドラインに準拠しており、各パートナーには、本方針の遵守を要請しています。また、人権侵害に関する内部通報窓口を設置しており、問題が発生した場合は、パートナーなどの外部関係者も利用可能としています。
内部通報窓口に関する詳細は、「コンプライアンス|内部通報制度」を参照ください。
ダイバーシティ&インクルージョンに関する基本的な考え⽅
ソシオネクストグループは、さまざまな個性、考え⽅、価値観をもった社員⼀⼈ひとりが、働きやすく、能⼒を発揮することができる企業⾵⼟、⽂化の醸成に努めます。そのため、当社グループは国籍・性別・年齢などを問わず、⼈材採⽤と登⽤を⾏い、かつ、多様な⼈材が⽣き⽣きと働くことのできる社内環境整備を推進しています。
ダイバーシティ&インクルージョンに関する主な取り組み
| ダイバーシティ&インクルージョンに関する諸制度・取り組み |
コアなしフレックスタイム勤務制度 在宅勤務の柔軟運用 長時間残業の抑制 グローバル人材の採用と支援 (新卒の10月入社、グローバルコミュニケーション研修プログラムなど) 幹部社員の登用制度の見直し 奨学金返還支援制度の導入 定年後再雇用制度の見直し 育児休暇制度/育児時短勤務制度 ベビーシッター費用補助 看護、介護のための在宅勤務制度 疾病、疾患の治療のための短時間勤務制度 休職制度 (チャイルドプラン、介護など) 積み立て休暇制度 (看護、子育て、介護など) 障がい者の継続的な採用と環境整備 視覚障がい者によるマッサージルーム運営 精神障がい者による社内業務代行制度 障がい者への環境整備アンケートの実施と改善 LGBTQ+の理解促進 |
●⼥性が活躍できる環境づくり
当社は短時間勤務制度や各種休職・休暇制度、ベビーシッターサービス費用補助制度など、仕事と家庭を両立する女性が働きやすい環境整備を推進しています。働き方の多様化を実現するために、コアなしフレックス勤務制度や、在宅勤務制度の運用などを進めるとともに、長時間残業の抑制策に優先的に取り組んでおり、女性をはじめとした多様な人材が健康で働きやすい職場づくりを進めています。今後は、若手や女性への研修の充実といった社内の意識・風土改革に取り組み、さらなる女性リーダーの活躍や男性の育児参加などを促進していきます。なお、女性管理職比率、男女間賃金格差、男性の育児休業取得率の実績は以下のとおりであり、これらの取り組みにより、現状以上の比率を目指していきます。
[女性管理職比率、男女間賃金格差、男性の育児休業取得率]
| 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 目標 | |
|---|---|---|---|---|
| 女性管理職比率 | 2.3% | 2.6% | 2.6% | 3.4%以上 (2028年度までに) |
| 男女間賃金格差 (正規従業員) * 男性の平均年間賃金に対する女性の平均年間賃金の割合 |
72.6% | 72.5% | 74.7% | - |
| 男性育休取得率 | 15.8% | 57.1% | 93.3% | 50.0%以上 |
●シニア⼈材が活躍できる環境づくり
ソシオネクストは60歳定年後に継続雇⽤を希望する社員に対して、最⻑65歳まで継続雇⽤する定年後再雇⽤制度を整備しております。シニア人材が培った経験・知識・スキルなどを活かして引き続き社内で活躍できる環境づくりに努めており、2025年3月末時点で228名のシニア人材が活躍しております。
●障がい者雇⽤の取り組み
ソシオネクストは障がい者雇⽤の拡⼤を推進し、多様な障がいをもつ⽅が⽣き⽣きと働ける環境づくりに取り組んでいます。また、障がい者の活躍の場を広げるため、視覚障がい者5名による社員へのマッサージ制度(ヘルスキーパー制度)や、精神・発達障がい者7名による社内の定型業務の代⾏制度(チャレンジスタッフ制度)を整備しております。
2025年3月末時点の障がい者雇用率は2.4%です。今後も障がい者の雇⽤拡⼤と継続的かつ安定した雇⽤に努めていきます。
[社外発表・講演実績]
| イベント名称 | 発表・講演内容 | 会期 | 会場 | 主催 | 発表・講演者 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 障がい者支援シンポジウム | パネルディスカッションにおいて、一般企業代表のパネリストとして講演。
パネルディスカッションテーマ「なくそう障壁 つくろう共生社会」を受け、当社の障がい者雇用の取り組みを紹介 |
2022年11月14日(月) | 電機連合会館 (電機連合本部) | 全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会(電機連合) | 梅川 由里 |
| 2 | 障害者雇用関係機関連絡会 | 当社の障害者雇用事例を「認識と理解で雇用は変わる~働きやすさと働き甲斐とは~」のテーマで講演の他、障害者雇用企業交流会にアドバイザーとして出席 | 2020年1月31日(金) | ビューポートくれ | 公益社団法人 広島県就労振興センター 呉安芸地域障害者就業・生活支援センター | 梅川 由里 石田 直子 |
| 3 | 第27回職業リハビリテーション研究・実践発表会 | 精神・発達障がい者雇用における会社の取り組みと雇用後の当事者の思いを「当社として初めての精神・発達障がい者雇用と働く意欲向上を目指す昇給制度づくり~会社の取り組みと雇用後の当事者の思い~」のタイトルで発表 | 2019年11月19日(火) | 東京ビッグサイト | 独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構 | 常盤 耕司 石田 直子 |
●グローバル⼈材について
当社グループは、アジア、欧州、北米などの国や地域においてグループ会社を設置し、それぞれの国や地域の優秀な人材を採用、登用し、活躍を促進しています。また、国内においても、新入社員、経験者採用ともに国籍を問わず通年採用を進めており、47名の外国籍社員が活躍しています。また、米国/欧州/アジア/インドなどの開発拠点においても、グローバルな事業拡大を支えるためのエンジニアリングリソースを強化しています。
●LGBTQ+の理解促進
当社グループでは性的指向・性自認に関わらず、社員が最大限に力を発揮できる環境づくりを目指しています。その一環としてLGBTQ+について社員一人ひとりが適切に理解することを重要と考え、以下の取り組みを進めており、今後も制度整備に取り組んでいきます。
当社の全社員受講の人権教育(eラーニング)によるLGBTQ+への理解向上
LGBTQ+の社員に対する社内相談窓口の設置
多目的トイレなどの環境整備
安全衛生に関する基本的な考え⽅
ソシオネクストグループが持続的に成⻑するため、社員⼀⼈ひとりが安全に働き、⾃らの持てる⼒を最⼤限発揮できるように、社員と関係者の安全を最優先して事業展開しております。労働災害の無い安全な職場を実現するため、事故防⽌、安全に働ける環境づくりを⾏い、さまざまな取り組みを推進しています。
安全衛生推進体制
ソシオネクストでは健康推進を管轄する組織を設置し、産業医および看護職による社員の健康管理と健康増進に向けた各種取り組みを推進しています。また、各拠点においては、産業医、衛⽣管理者、社員、そして労働組合が推薦した社員から構成される「安全衛⽣防災委員会」を⽉1回開催しております。同委員会では、産業医や衛⽣管理者の助⾔を受けながら、健康診断、ストレスチェックや職場巡視の実施、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症予防、⻑時間労働の状況、防災・減災対策など、安全衛⽣と防災における課題や取り組みについて報告や協議を行い、継続的な改善を促進しています。
なお、月1回の衛生管理者による巡回を通して、職場におけるリスクを洗い出し、同委員会での報告を実施すると ともに、必要に応じてリスクの是正を行っています。社員から労働安全衛生上の事故、リスク、懸念事項に関する 要望や苦情があった場合は、同委員会において、労使を中心とした代表者で協議し、是正を図っています。
安全衛生に関する主な取り組み
●労働災害の未然防⽌
前述の安全衛⽣防災委員会において、毎⽉の職場巡視や労働災害の報告、再発防⽌策を協議するなど、労働災害の未然防⽌に努めており、2025年3月期の国内における労働災害は1件(軽微)となっております。なお、この他に、通勤途上災害が5件発生しています。
●安全衛生教育
当社は全社員に対してeラーニングによる安全衛生教育(受講率100%)を実施し、安全衛生に関するルール、体制などに対する社員の意識と理解向上に取り組んでいます。
●感染症予防
当社は、感染拡大時において感染抑制に向けた行動基準の徹底、在宅勤務環境の整備、職域接種などを実施し、感染予防に向けた取り組みを推進しました。今後、新たなパンデミックが発生した際には、社員とその家族の健康と安全を第一とし、迅速かつ適切な事業継続・復旧活動に取り組みます。
社会貢献活動
ソシオネクストグループは、あらゆるステークホルダーとの関わりの中で、互いを尊重し、多様な個性、文化、価値観を認め合い、さまざまなコミュニティの皆様と持続可能な社会づくりを通じて、共に成長し共生していくことを大切にしています。
●⼀般社団法⼈F・マリノススポーツクラブの活動への支援
⼀般社団法⼈F・マリノススポーツクラブは、清掃活動、救急活動や多様性などの啓発活動、復興⽀援などの地域活動や知的障がい者サッカーチームの運営・特別⽀援学校でのサッカー教室実施などの社会貢献活動に積極的に取り組んでいます。また、幼児から中学⽣までを対象したサッカーの指導・育成といったアカデミー活動にも精力的に取り組んでいます。当社は、地域社会の一員として、この活動に共感し、2023年2月より賛助会員に加入し、支援を続けています。これからも⼀般社団法⼈F・マリノススポーツクラブの皆様とともに、世界で活躍できる選手の育成やスポーツを通じたよりよい地域づくりへの支援に取り組み、地域社会に貢献します。
●街の美化サポートプログラムへの参加
当社は、各事業拠点の地域で行われる美化活動に積極的に参加しています。
地域社会の一員として、地域企業や地域の皆様とコミュニケーションを図りながら、気持ちよく暮らせる街づくりに貢献します。
●The Family Giving Tree への支援
米国ベイエリアは、世界で最も裕福な地域の1つに数えられていますが、80万人以上のベイエリアの住民が貧困ライン以下で生活しており、5人に1人の子供が貧困状態にあります。貧困は子どもの幸福と自信を奪い、最終的には成長と成功の能力を低下させます。Family Giving Treeは、ベイエリア全体で200万人以上の子供と個人にサービスを提供しており、慈善活動、ボランティア活動に積極的に取り組んでいます。
Socionext America Inc.は、この素晴らしいベイエリアの非営利団体を支援しています。
●Movemberでの募金活動
Socionext America Inc.は、Movemberが企画する男性特有のがんの認知度や健康意識を高めるための活動に参加しました。この活動は、11月の1か月間、あごひげや口ひげを伸ばすユニークな募金活動です。Movemberを通して集まった寄付は、男性が直面する複雑な健康問題(メンタルヘルスと自殺予防、前立腺がん、精巣がんなど)に取り組むプロジェクトに提供されます。この募金活動を通じて、社員同士の距離も縮まり、社内コミュニケーションの活性化にもつながっています。
●Dreieichschuleの高等学校の芸術コースの美術展の支援
Socionext Europe GmbHは、長年にわたり、Dreieichschuleの高等学校の芸術コースの美術展を支援することで、多くの学生にアクリル絵や油絵などの制作の機会を提供しています。また、美術展後は、Socionext Europe GmbHのオフィスに学生の作品を展示し、社員一同は、独創的でクリエイティブな作品から刺激と癒しを受けています。